「ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を求める意見書」の採択をめぐって

9月19日の市議会の最終本会議で、私が筆頭提案者の「ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を求める意見書」が、議長を除く20名の議員の内19名の圧倒的賛成をもって採択されました。
反対の1名の議員も「ヘイトスピーチは問題ではある」としながらも「法規制まではどうか」と意見していました。
本意見書は内閣総理大臣、法務大臣、衆議院議長、参議院議長に提出されます。

ヘイトスピーチは韓国・朝鮮人、中国人、フィリピン人等の外国籍住民や被差別部落、アイヌの人々へのその属性を理由とする憎悪表現です。
その人権侵害行為は、対象となった人を自死に追いつめるほどのダメージを与えるもので、決して許していけない行為であり、毅然とした対処をすべきものであります。

8月29日、国連人種差別撤廃委員会は日本政府に対して、ヘイトスピーチを含む31項目の是正を求める勧告を公表しました。
その中で、特に在日韓国・朝鮮人への人種差別的デモや集会を行なう団体によるヘイトスピーチの蔓延、政治家・公人によるヘイトスピーチ、メディアでのヘイトスピーチの広がりなどについて懸念が表明されています。
さらに、そうした行為が適切に捜査・起訴されていないことも懸念、だとしています。

こうした日本の状況に対して、ヘイトスピーチを規制するための措置が、抗議する権利を奪う口実になってはならないと指摘するとともに、「弱者がヘイトスピーチやヘイトクライムから身を守る権利」を再認識するよう指摘しました。

以上のような人種差別撤廃委員会の勧告を誠実に受け止め、ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する新たな法整備がなされることを、意見書の中で強く求めました。
この意見書は、国会で自民党がプロジェクトチームを立ち上げたことや、超党派で法律案が検討されているという情報をもとに、その動きへのバックアップをしたいと思い提出しました。
どうやらこの意見書は全国で初めて採択されたものだったらしく、NHKのニュースや各新聞紙上にも掲載されました。
それと同時に、多くの反響があり関心を持っている方が大勢いることに大変驚くとともに、これから大いに議論されることを望みます。

ヘイトスピーチは「殺せ、死ね」という人権侵害の表現であり、到底認めることは出来ません。

これから、多くの地方議会で同じような意見書が出てくることを期待するとともに、何より国会議員がみずからの人権感覚を最大に発揮して法律を作ってほしいと心から願っています。