上村和子 3期目のまとめ

国立を社会的弱者を包み込むまちに

―ソーシャルインクルージョンのまちづくりを提唱―

【2007年4月~2011年3月】

 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」──憲法第13条は、個人の尊厳と幸福追求権についてこのように規定しています。
しかし、私たちは、この条項が大切にされているとは実感できません。為政者が勝手に決める「公共の福祉」の名のもとに個人の権利が阻害され、結果、本当の意味での公共の福祉が実現されていない──これが私たちの実感です。
今、国立市には、貧困問題のほかにも、たくさんの市民の方々からの訴えがあります。
新国立駅をバリアフリーに、旧甲州街道の歩道の拡幅を、谷保駅に一日も早くエレベーターを、農地を未来に残し活かす取り組みを、子どもに最善の環境を保障する保育と教育を、低周波や化学物質、電磁波など目に見えない「新しい公害」への市としての指針の策定を、個人商店を守り買い物難民をつくらない取り組みを、などなどです。
憲法第13条を暮らしのなかに活かしていくために、今ほど「ひとに寄りそう政治」が必要なときはありません。
社会的マイノリティーの存在を包み込む地域が誰もが安心して暮らせる地域なのだとの確信をもって、これからも市政を監視し、社会的弱者の発言を市政に活かしてまいります。
以下に、3期目の活動をまとめてみました。

議会で発言

貧困に立ち向かう

2009年の秋、数人の仲間と「くにたち派遣村」を立ち上げました。
路上生活者、ネットカフェ暮らしの人など生活困窮者の生活保護申請に同行し、アパート探しやその後の生活フォローに尽力してきました。結果として、今日までに20人ほどが生活保護を取得できました。さらに、市に対して、生活保護の指針作りや、貧困でしょうがいがある等の複合した困難な状況を抱える人への個別支援制度の創設を提案しています。
税金滞納整理差し押さえに際し、市は「税金の徴収に福祉を」の視点に立って臨むこと、差し押さえにあうと生活が困窮する人に対しては差し押さえを解除するなどで対応することなどを確認させました。
さらに、多重債務者への包括支援のできる体制を確立することを市に要請するとともに、当事者の立場に添った対応についての指針作りを提案しています。
市に国立市の貧困実態について質問し、市税納税者(20~59歳)の27%が生活保護水準以下の収入であることがわかりました。
2010年の暮れ、「家がない」「仕事がない」「助けがない」「愛がない」などのテーマで、国立駅前で連続路上ミーティングを開催しました。
財政健全化方策案で、市が、家庭ごみの有料化、下水道使用料のs値上げ、国民健康保険税の値上げなどを提案したことに反対し、具体化させませんでした。
路上ミーティング

社会的弱者とともに

 私は、国立を、しょうがいしゃ、高齢者、在日の人たちなど社会的弱者を包み込むまちに(ソーシャルインクルージョンのまちづくり)と主張し続けてきました。この「ソーシャルインクルージョン」という言葉は、関口市長の2011年の施政方針にも取り込まれました。

しょうがいしゃとともに

緊急時の介助者不足への対応について市に提案し、しょうがいしゃとともに要請活動を行い、「365日夜間緊急対応訪問ヘルプ制度」を作らせました。
2007年度で市が一旦打ち切った2級ヘルパー研修助成事業を2009年度から復活させました。
高齢であったりしょうがいがあったりして移動が困難な人たちのために、移動を容易にする公共交通計画の策定を提案しました。この計画は、市の2011年度予算に組み込まれています。
「清化園プール跡地に温泉等の保養施設を」との車椅子しょうがいしゃの陳情に対し趣旨採択と主張しました(趣旨採択は上村だけで、他議員は全員不採択でした)。現在、温泉を掘削中です。

高齢者とともに

介護保険料の値上げに反対しました。保険料は月額4400円が2009年度からは4200円に値下げされました。
市が提案した77歳に対する祝い金の廃止に反対し、存続させました。
高齢者食事サービスの助成削減に反対しました。
高齢者に対する生活実態アンケートを実施させました。75歳以上の市民の46%に当たる2720人から回答を得、自由筆記では166人から切実な声が寄せられました。調査結果を踏まえての対応を市に要請しています。

在日朝鮮人とともに

2009年10月、「ハムケ・共に」を立ち上げ、立川にある西東京朝鮮第一初中級学校を支援しています。
朝鮮学校に対する高校無償化からの排除に反対して、無償化を求める運動を展開しています。
「在日外国人の無年金問題に関する陳情」を採択とし、市単独の助成を実施させました。

中国残留邦人とともに

中国残留邦人新支援法の積極的運用を求め、中国帰国者二世の方を相談員として配置させました。

その他

一人親家庭に対するホームヘルプ派遣の充実を要望し、実現させました。
市内の更生保護施設八興社と地域住民との共生のために尽力しています。コロニー雲仙など各地の施設を視察し、国立市内の更生保護施設のあり方について提案しています。

子どもたちがゆったりと育つ環境をめざして

財政健全化方策案のなかで市が公立保育園の民営化案を示したことに反対。保護者とともに運動し、計画を撤回させました。保育園を地域の子育て支援拠点にすることを提案しています。
保育園に入所を希望する子どもは誰でも入れるように、子どもの最善の環境を保障する保育指針の策定を市に提案し、保育審議会答申を歪めた「国立市保育計画」の抜本的見直しを求めています。
65歳を年限とする嘱託員設置条例に違反する60歳定年制を決めた「嘱託保育士の採用・更新の取り扱い」決裁と、高齢者雇用安定法に反する再任用保育士の雇用のあり方について、早急な見直しを求めています。
PTAを校長の監督下に置きPTA活動の自主性を阻害しようとする「国立市立小中学校長・PTA会長連絡会」の組織化に反対し、中止させました。
二小児童の成績に関する個人情報の流出事件や、中学卒業の記念品として中学生向けの英和辞典を配布したミスについて指摘しました。
教育長不在という異常事態を長期化させている市の教育行政を批判しています。
児童虐待に24時間対応できる体制を整えるよう、市に提案しています。

住みよい町づくりのために

「新国立駅前はオープンスペースに」と主張しています。通行の妨げとなり、駅からの景観をそこなう(加えて、土地取得等のために莫大な費用を要する)旧駅舎の駅前復元に反対。市民とともに運動を展開しています。

眺めの良い新国立駅ホーム

大学通りの歩道に駐輪場を設置することを可能にする条例案に反対しました。反対は上村だけでしたが、市が実施した市民アンケートでは、過半数が上村と同じく反対で、事業実施は延期されています。
関口市長作成の国立駅周辺まちづくり冊子は私的なものであり、政治的な公金支出で不適切だと指摘しました。
「旧甲州街道歩道拡幅、2車線化の早期実現についての陳情」を採択としました。甲州街道歩道の狭さ・危なさを実感するための車椅子実感調査を企画・提案、実施しました。

危険な谷保天前交差点

携帯電話基地局建設に伴う電磁波の危険性を訴える市民の立場に立ち、市の適切な対応を求めています。
市の防災計画の策定に多くの女性を参加させること、女性の視点を入れることなどを提案しています。
市内に建設された「悪質な違法建築の撤去を求める請願」の請願者になりました。この請願をふまえての議会の意見書は全会一致で可決されました。
環境基本条例制定特別委員会のメンバーとして条例を制定させました。
市営駐輪場料金値上げに反対し、値上げをやめさせました。
不要不急の開発事業ではなく、福祉・教育・生活を優先した予算支出を求めてきました。元理事長の収賄事件があった城山南区画整理事業の凍結、見直しを求めています。

荒れた城山南地区

市内の農業・農地を生かすために

2008年6月議会で「国立の都市農業を守り活かし未来へつなげるまちづくり決議」を提案しました。この提案は全員一致で可決されました。
市民、農業者、商工者などによる谷保のまちづくりに関するシンポジウムをサポートしました。
国立の農地の約70%を占める生産緑地を買い取り、農地として存続させることの検討を求めています。
用水路を残し活かす南部のまちづくり計画を提案しています。

国立の野菜

平和な世界を築くために

「基地にNO!アジア・女たちの会」に参加し、沖縄の基地問題に関して防衛省への要請活動を行いました。
2011年に入って『平和といのちをみつめる』連続学習会の実行委員会を立ち上げ、砂川闘争、沖縄の基地問題などを市民とともに学んでいます。
「沖縄戦集団自決への軍関与を否定する教科書検定意見の撤回を求める意見書採択に関する陳情」に賛成し、採択させました。
個人情報を守る、地方自治を守るという立場から、住民基本台帳のネットワークシステムへの接続に反対しています。
「『慰安婦』問題への国の誠実な対応を求める意見書」を提案し、採択させました。

「上村和子、三期目を振り返る会」にて