今週は「咳の週」でした

今朝は、11階の我が家から一面の日の出前の朝焼けを見ました(写真があれば良かったですね)。とても静かな時間でした。

今週は月曜日から木曜日まで予算委員会でした。咳をしまくりながら(周りの皆様にたくさんご心配をおかけしました)、どうにか終了しました。
ちょっと長くなりますが、予算委員会での様子と感想をお知らせいたします。どうか最後までお読みいただければと思います。

私が、与えられた1回10分の質疑4回、合計40分の中で取り上げたのは──、

◆国立市の財政は安定したのではないか。

◆自衛隊募集事務委託のおかしさ。
市内18歳の若者全員の住民票の閲覧のための資料用紙代にあててるという。昨年は15歳の全員分も閲覧されました。集団的自衛権の行使容認など、自衛隊は紛争に参加し、殺し殺される軍隊になるおそれが出ている時に、このようなたった1万2千円の委託は返上すべき。「法律で決まっているからできない」との答弁に、こういうやりかたで地方は国に逆らえず、国が起こす戦争の準備を手伝わされていくんだなあと思いました。小さな事務ですが、この1万2千円の重さは深刻。

◆これからつくるオンブズマン制度の審議委員には、苦しみの中にいる子どもの味方にきちんとなれる弁護士を入れて欲しい。

◆地域をつなぎ、孤立した人のパーソナルサポートを行なうCSW(コミュニティ・ソーシャル・ワーカー)はとにかく「人」、豊中社協の勝部さんに会って、それから人選を。

◆防災無線はお年寄りには聞こえません。ひとり暮らしのお宅と市役所を直接つなぐ、無線設備を入れて欲しい。2年間言い続けたことを聞き流さないで。

◆「旧国立駅舎はこの町のシンボルでなくてはならない」との表現がひっかかかる。多くの人たちがそう望んでいたにしても、「本当にまちのシンボルなの?」とギモンがわく。誰が決めたの? 少なくとも私は議員として7年間は「旧駅舎復元よりも大学通りが見渡せるオープンスペースを」と訴えてきた。これは何の問題なんだろう? 何が何でも「旧駅舎は復元するんです!!」「それ以外はありません! だって旧駅舎はみんながそう思ってるから」という空気が息苦しい……。違う見方だってあるでしょう、ということなんだけど、旧駅舎復元派の人たちは「大学通りから見てその先に赤い三角屋根の駅舎がある風景こそ国立の遺産」と言う。それはとてもよくわかる。なぜなら、私も記憶に残っているから……。
旧駅舎復元に反対する私は、「今ある国立駅のホームから見える円形公園から谷保までまっすぐのびる大学通りと、高さを抑えたお店で広がる大きな空の風景こそ未来に残したい宝物。旧駅舎が復元されたらその風景は失われる」と主張する。旧駅舎の解体によって見えた「宝物」があるということを伝えたいんだけど……。
まもなく桜が咲く。理屈をつけなくとも、多くの人が国立駅ホームのワイドビューから桜並木を眺めることだろう。大学通りの歩道橋からの風景だけではなく、逆の国立駅から谷保までの風景も絶景。負けず劣らず素晴らしい。
ねっ、180度違う見方の議論でしょ! 私の側って、本当に少数派なのかなあ?
「上村議員、旧駅舎が復元されても、少し斜めから大学通りは見えます!」と耳にタコができるくらいに聞かされてきた。「少し斜めじゃなくて、まっすぐに見える風景こそ一番でしょ」と私も応答する。まっすぐに見える風景を遮るものが「旧駅舎復元」だから、私は反対している。これって何の問題? 自分のこだわりにこだわり続けたい。

◆国民皆保険制度を維持するために、国保は大事。国保の被保険者の状況が今、大きく変わり、非正規で働く人たちの割合が増大。20代から50代の被保険者もグーンと増えた。国保税の負担は会社の社会保険よりずーっと重い。もっと国庫補助を増やすべきだ。そして、病気になっても、誰でも病院にいける社会保障としての国民皆保険制度を死守したい……。今、このセーフティネットが揺らいでいる。

◆介護保険料がまた上がります。基準額5100円が5650円になります。介護保険運営協議会の答申は5800円でしたが、それは上げすぎだということで、佐藤市長は基金からの補填をすることに決め、5650円(550円の値上げ)にしました。この判断は賢明だと思います。以前私は、介護保険料の上限はいくらぐらいかと質問したことがありました。当時福祉部長だった雨宮部長は、「基準額としての上限の目安は5000円ぐらいではないかと言われている」と答えたことがあります。その上限の目安を超えた値上げは、これからも続き、抑制するためにはサービスを削るか、働く人たちの待遇を落とすか、利用料を増やすか、しかない。もしくは、やっぱり家族介護? 国立市は地域での見守り力と、医療と保健と連携して介護予防に力を入れる施策を直営の地域包括支援センターが中心となって積極的に打ち出しています。これは良いことです。しかし値上げするしかない介護保険制度は、構造的な問題があると言わざるを得ません。

などなど意見し、一般会計、特別会計ともに反対しました。
全体では賛成多数で2015年度予算は成立しました。

800以上もある施策には、素晴らしい施策もたくさんありますし、ほとんどは経常の事業ですから問題はありません。本当は○か×と二者択一は間違っていると思います。
しかし、そうなっている以上、99が○でも、これだけは妥協できないものが1個あったら、×としてきました。
少数意見を残し、私の信念を守り、育てるためです。
大きく言うと、民主主義ってそういうものではないかなあと思います。
私の小さなNOは、小さな民主主義の小石です。民主主義が凍らないように、小石を投げ続けていきたいと思います。

咳がヒドくて、辛かったのですが、呼吸器専門の良いお医者にも出会え、体のマッサージや、お灸、はたまたカウンセリングまで、心身共にいろんな人たちに助けていただきました。

議員は自己管理能力は必要不可欠な条件だと言われています。
私は、その能力に欠けます。コントロール力がありません。その意味では、議員には向かないのかなあとも思います。
でも、そんな人間が議員やるのもいいかも。

超高齢社会って素敵じゃない。超高齢社会はみんなでゆっくり生きる大切を教えてくれます。
子どもの出生率が少ないなら、生まれた子どもを大事にすればいい。子どもはいのちの大切さ、かけがえのなさを教えてくれます。

世間とは180度違う見方をしてみる。そこで、はじめて心にゆとりができ、空気が入り、優しい風が吹いてくる。
危ないひとつの空気に流されないこと。立ち止まり、ひと休みすること。そして、空気を入れて、風が吹いてくるのを感じたら、そこから、また自分の道を歩こうと思います。

咳は、立ち止まることを教えてくれたように思います。咳のおかげです。風が吹いてきました。
心配をおかけしました。
眠れぬ夜、フェイスブックを更新していると、「いいね!」をもらいました。なんだかすごく心が暖かくなりました。

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。