「三里塚は今」フィールドワークに参加して ―1―

 「三里塚は今 府中実行委員会」主催のフィールドワークに参加しました。

 三里塚と聞くと、どこかもう終わった過去の学生運動の歴史のように思っていました。しかし、今回、初めて現地を訪れ、三里塚の空港反対運動は、今も続く戦後の農業の在り方を問う闘いであることがわかりました。

 お話しを伺った市東(しとう)さんは、今は亡きお父さんの代から農地の強制収容に反対し、今もその土地で農業をやり続けています。

「私はここで農業をやりたいだけなんです」
 市東さんは、現在、成田空港会社(前身は空港公団)から「不法耕作」として土地の明け渡しを求められ、その申請に千葉県知事はOKの決定を下しました。その決定に従わなければ裁判で強制的に取り上げるというもので、市東さんの畑や納屋、トイレにまで、何か所も仮処分の公示書が貼られていました。
 市東さんは、そのことに対して知事決定無効を求め、行政訴訟が始まっています。


 私たちが市東さんを訪れたときから帰るまで、ずっと警察か公安が黒い車でつきまとっていました。
 市東さんは、このように監視される生活を47年間も送っています。

 私たちは、ただ現地のフィールドワークに来ているだけなのに、なぜ警察(?)の黒い車に尾行され続けなければならないのか、その薄気味悪さに、私はその車に駆け寄って「あなたたちは何者で、何に基づいて私たちの後をつけ回すのか?」と聞きたい気持ちでいっぱいでしたが、それをやったら、その影響が市東さんたちにどのように及ぶのかと考え、問うことはしませんでした。自制しないといけないと思わせる威圧感がその車からただよっていたのです。

 市東さんのお宅では、市東さんの畑で採れた落花生の味噌漬けやエシャロットをお昼に出していただきました。

 市東さんは有機栽培で野菜をつくっています。「私の畑でできた大根を抜いていかないか」と市東さん。そこで、初めて大根抜きを体験しました。

 持ち帰った大根は、ブログ打ち合わせ時に調理してもらい、皆でいただきました。とてもおいしい大根でした!