金曜日から23日日曜日まで、大分中津で開かれた竜一忌に参加しました


 『暗闇の思想』を書いた松下竜一さんの9回忌が大分県中津市で開かれました。
 会場には全国から大勢の人が今年も集まっていました。今年のテーマは「反戦・反核・反原発」で、記念講演は「日本の近代を問いなおそう―福沢諭吉神話の解体」というテーマで、安川寿之輔さんがお話しをなさいました。
 中津市は福沢諭吉生誕の地でもあり、駅前には大きな銅像があります。学校では福沢諭吉語録を子どもたちに配付せよという声が今でも上がるところです。

[本当はアジア軽視の福沢諭吉]
 福沢諭吉というと「天は人の上に人をつくらず」という言葉が有名で、いかにもリベラルな思想家のように思われがちですが、真実の福沢諭吉は、脱亜論でアジアを蔑視する発言や、女性に対する差別発言を繰り返していたことが、安川さんの話しで分かります。
 安川さんは、福沢諭吉が書いたものを読めば容易にわかることが、福沢諭吉を批判的に語る人が学者の中にでさえいないのがこの国の現状。それを1万円札の顔になったときに批判したのが本当に日本の中で唯一と言ってもいい、松下竜一さんであった。
 今、この福沢諭吉が1万円札の顔である限り、アジアとの平和な関係はつくれないという講演は大変印象深いものでした。
 松下竜一さんは、死してなお私たちに反対することの大事さ、黙っていれば賛成者にされてしまうこの世の中の仕組みを理解した上で意識的に反対せよ、反対の意志思表示を上げよと語りかけていると思いました。