民営化は徹底的に検証を―― 一般質問 ―― 

 今回の一般質問は、久しぶりに怒りの感情が爆発したものになりました。
 1時間の質問の中で「腹が立ってしかたがない」という言葉が数回口をついて出ました。
 今回の一般質問では、財政改革審議会の最終答申に書かれた公立保育園4園の民営化と図書館の民営化について取り上げました。

 まるで「民営化」が財政改革の柱のような捉え方に、私は一貫して乱暴さを感じてきました。「民営」でも「公営」でもいいものもあれば、悪いものもあります。公営が無駄で、民営が効率的という発想はあまりにも乱暴ではないでしょうか。
 民営化を進めたい人たちは、具体的にどういう民営化なら現状の公営よりも優っているのか、お金だけではなく、質の面からもちゃんと考えて提案する責任があると私は考えます。

 図書館に関しては、情報社会の中で莫大な個人情報を扱い、一人ひとりの個人に必要な情報を安定的に丁寧に提供するためには公営しか考えられません。
 民営化のモデルとなった武雄市立図書館は、もはや図書館とはいえず、カフェ付き本屋と化しました。ある意味、100%の民間のビジネスが公金でなされていると考えられます。

 市民へのサービスを提供できる能力に欠ける、コスト的にも直営のほうが安く上がるなどの理由で、民営から直営に戻した図書館が全国で3つあります。図書館の民営化はもはや無理ということが実証されてきています。
 そういったリサーチもしないで「直営以外の方法で運営を考えるべき」と提言した財政改革審議会最終答申は時代遅れであり、さらに、それを尊重するといった国立市の姿勢はそれにもまして問題と言わざるを得ません。

 公立保育園の4園民営化にいたっては、現状の国立市の保育基準を示すモデルとしての公立保育園が消失し、新たな民間保育園が4園誕生するわけで、当然ながらキャリアを持った保育士が全員いなくなり、代わりに全員が新しい保育士といった保育園が次々と誕生していくことが考えられます。そういったことは預けられる子どもにとってどういう影響があるのか? 佐藤市長は「公立保育園の民営化にあたっては、保育審議会を立ち上げてその中で議論してもらう」と答えましたが、保育審議会を立ち上げずとも十分想像できることではないでしょうか。

 図書館も保育園も、市民の暮らしや命に直結する大事なものです。だからこそ、公設公営の意味があります。今、市役所でお金をもらって働いている職員の人たちに一番真剣に考えてもらいたいのは、民営化の意味以上に公営の意味です。