浦安図書館見学会

元浦安図書館長の常世田良(とこよだりょう)さんに日本一の公共図書館の機能を持っていると言われている浦安図書館を案内していただきました。

新浦安駅前にある図書館窓口業務サービスセンターの入り口と入ってすぐのカウンターの中です。
全国でも市民1人当たりの貸出数はトップクラスの浦安にあって、この駅前の窓口業務サービスセンターは、年間343日開館しており、個人貸出数は17万8,000冊と、開館日数と利用率はすば抜けていました。
シルバー人材センターの方々が個人情報は扱わないところでの受付業務を担っているからこそ、できていることだと思います。国立でも参考になる話でした。




司書が本当によく頑張っている。

広いスペースの中に、車椅子でもゆったり通れる幅で書架が並ぶ館内は、いたるところに座り心地のいい椅子が置いてあり、壁際には勉強しやすい机がずらりと並んでいました。
中央図書館だけで81万冊の蔵書があります。「1日過ごせるね」「あらゆる人のための図書館だね」など、一緒に行った参加者からは「うらやましい」というため息が漏れました。

入り口からすぐのところにある児童書コーナーでは、「お手玉を作ろう」という本の前でお手玉で遊んでいる子どもたち、司書に本を探してもらっている子どもたち、車椅子に乗った子どもが司書に本を読んでもらっている姿などなどが印象的でした。

浦安図書館の司書は市内の小学校にも病院にも読み聞かせに行っているそうです。
常世田さんの話の中に、図書館で働くということは、本ではなく、いろいろな人に会うということです。その町に暮らすいろいろな人に出会い、その人が求めている情報は何でも探して提供する、それが司書の仕事なのです。

かなりの空間でつくられている「レファレンスルーム」には質問に対して情報を探して答えてくれる専門司書の方が座っていました。
常世田さんは「例えばラーメン屋さんをやりたいけど、どうしたらいいですかという質問は、図書館でできるのですよ。医療も介護も仕事も全て知りたくなったら図書館に行く、それが本来の公共図書館です。そういう面では日本の公共図書館はまだまだ遅れていると言わざるを得ません」と話してくれました。

お昼は、常世田さんお勧めのうなぎ屋さん(浦安はうなぎが有名だそう)、帰りは「焼きハマがおいしいから」と言って、お店を案内してくださいました。図書館を見学するということはその町を見学するということなのだなと改めて思いました。

2月23日、常世田さんをお招きして、国立中央図書館で「今こそ、公共図書館!」の学習会を開きます。常世田さんからは「国立に行くのが楽しみです」という言葉を最後にもらいました。常世田さんがいらっしゃったときに国立のよさをどのくらい知ってもらえるのかが宿題です。