皆さん、ご存じですか? おかしな裁判が始まっています

 今、国立市では3つの裁判が起きています。
 1つは上原元市長に対する求償権裁判(下記に詳細報告)。
 2つ目は関口前市長に対する求償権裁判(下記に詳細説明)
 3つ目は、佐藤市長に対する求償権履行裁判(下記に詳細説明)

 最初の2つの裁判に対して、佐藤市長は以前「のどに刺さった魚の骨」と表現しましたが、今回3本目の魚の骨が刺さったわけです。

 1つ目の明和マンションに関する裁判や、2つ目の住基ネットの不接続に関しての裁判などは当時の市長の個人的政策ではなく、選挙を通じて市民に問われていた大きな政策であり、市長個人が責任を取ればいいという問題ではありません。
 さらに、3つ目の住民訴訟は、関口前市長、上原元市長のみならず佐藤市長までもが訴えられています。三権分立の中の立法機関である議会と、行政機関である首長の役割り、権限を通り越し(数人の住民による)司法決着だけを目的としたこれらの3つの裁判は重大な自治の問題をはらんでいると私は考えています。
 私としては、このような3つの訴訟は和解という形で早く終わらせることができる市長の調整力、対話力が求められていると考えます。

1)明和求償権請求訴訟
 提訴日 2011年12月21日
 原告 国立市
 被告 上原公子
 請求金額 31,239,726円(及び2009年3月28日から支払い済まで年5分の金利の支払い)

経過・・・明和マンションに関しては、事業者である明和地所から当時の上原市長を被告に損害賠償請求訴訟や住民が明和地所を訴える訴訟などいくつか裁判が起こり、最終的に、それらの裁判は一本化され最高裁(2006年3月30日)で、最終的に明和地所が勝ちました。その際、国立市が払った金額が今回の裁判の請求額です。明和地所は支払われた約3,100万の同額を国立市に寄付しており、この件に関しての実質的な損害はありません。
 しかし、実質的損害はなくとも、本来なら明和地所からもらえるはずの財政協力金(7,800万円)が争っていたためもらえなかったことや、弁護士費用等市に与えた損害は大きかったとして、住民により、元上原市長に求償せよという住民訴訟が起きました。その住民訴訟の一審判決は住民側が勝訴しました。当時の国立市長である関口ひろし市長はそれを不服として控訴し、控訴審議中に市長選挙があり、佐藤市長が誕生しました。佐藤市長は就任直後の2011年5月30日に議会に諮ることなく、取り下げ、一審判決が確定されました。
 その確定を受けて本裁判が起こされたわけです。

※財政協力金とは・・・集合住宅で、戸数21戸以上建てる場合に、開発行為等指導要綱に基づく協力金として、建て主さんが一定の金額や土地を市に寄付することを指します。

 明和マンションは大学通りに面して建っていますが、国立市の大学通りは国立市の景観形成条例の中の重点地区になっています。その視点から、周囲の景観にそぐわない建物として行政対応が始まりましたが、途中で裁判に移行したため、開発指導要綱の手続きに戻れず、財政協力金を逸したというわけです。

2)住基ネット損害賠償請求訴訟
 提訴日 2011年12月21日
 原告 国立市
 被告 関口宏
 請求額 398,040円(及び2010年7月1日から支払い済まで年5分の金利の支払い)

経過 本訴訟も明和マンション求償権訴訟と同じようなプロセスで始まっています。住基ネットの「違法」な接続により生じた住基ネットサポート委託料を求償せよという住民訴訟が一審判決で住民側勝訴。それを不服として、当時の関口市長が控訴し、審議中に市長選があり、佐藤市長が誕生したことで、2011年5月24日に明和マンション訴訟と同じように佐藤市長は議会に諮らず、取り下げ、一審判決を確定させ、それをもとに本裁判が始まりました。
 この裁判については、2013年3月26日に一審判決が出ていますが、国立市が勝訴しており、まだ裁判は続くものと思われます。

3)住民訴訟 住基ネット接続費用に関する損害賠償履行請求事件
 提訴日 2012年9月26日
 原告 住民3名
 被告 佐藤国立市長
 請求額 34,181,415円(及び2012年4月5日から支払い済まで年5分の金利の支払い)
 なお、上原公子元市長、関口宏前市長は利害当事者として補助参加人に加わっています。

経過 佐藤市長になって、佐藤市長は公約にそって住基ネットを接続しました。そのことに対して「違法」な住基ネットの切断がなければ、必要のなかった経費として、3名の住民が先の住基ネット損害賠償事件と同様に、再接続にかかった費用と同額を、佐藤市長は元上原市長と前関口市長に総額で支払えという訴訟を起こせという内容です。
 これに対して、私の一般質問の中で、佐藤市長は「原告側から出された損害賠償請求を前市長らに対する損害賠償請求を行わないということが怠る事実ということで訴えられているが、国立市としてはその行為は怠る事実ではないと認識しているので、そういう請求を取り下げてくださいとお願いしている」と明言しました。
 つまり、本裁判については、佐藤市長は関口前市長や上原元市長に請求するつもりはないということです。